読み書きはできるのに、、、どうして国語ができないの?

指導方法

お子さんの国語力に不安を感じている方は多いことでしょう。普段の音読や記述は問題ないのに、テストの点数が低く国語の成績が良くないのでお手上げという声をよく聞きます。

たとえばこんなお困りごとはありませんか?

・読んでいるけど内容が頭に入らない。

・因果関係や対比などの論理構造を読み違える。

・あらすじや要約がつかめない。

・登場人物の感情を読み取りにくい。

・比喩が通じない。

・行間が読めない。

この記事では、日常の会話や読み書きは問題ないけれど、国語の成績で伸び悩むお子さん向けに読解力向上のヒントをお届けします。

どのような力が不足しているのか?

国語の成績を上げるためには、読解力が大切といわれます。では読解力とは具体的にどのような力なのでしょうか?お子さんは読解力のどの部分が不足して困っているのでしょうか?

読解力はボトムアップ・モデルとトップダウン・モデルという2つのスキルが相互に作用して完成します。その2つのスキルを一つずつ見ていきましょう。

ボトムアップ・モデル

文字を見て、単語を認識して、文や文章のまとまりを把握する読み方です。

読んでいるけど内容が頭に入らないのは、言葉の意味や働きが把握できていない恐れがあります。また、文中の接続詞の意味合い、同意表現、反語表現にも気づくことが難しいため文章の論理展開をつかみづらいと考えられます。

言葉の意味や文章の構造が読み取りづらいため、あらすじや要約も読み取りが困難となるのです。

トップダウン・モデル

文章に記載された事実をもとに展開を予測する読み方です。読み進めながら仮説の検証も同時におこない、仮説の修正も適宜おこないます。

登場人物の心情や行間が読めないのは、ボトムアップ・モデルで読み取った情報を総合して「登場人物はたぶん〇〇と感じているだろう」と予測する力が不足していると考えられます。

比喩がわからないのも同じ理由です。「文の流れから考えると、意味通りにこの言葉を解釈するのではなく、別の意味で使われているのだろう。」と推測する力が弱いと考えられます。

普段の学習でどのように学習するのか?

それではボトムアップ・モデルとトップダウン・モデルをどのように鍛えればよいのでしょうか。

ボトムアップ・モデルの強化

ボトムアップ・モデルは、言葉の意味を理解し、文章の要旨をまとまめる読み方です。小さい情報を積み上げて大きなまとまりを把握していく読み方ともいえるでしょう。

物語文や小説文では、まず登場人物を把握します。次に、時・場所・できごとなど場面の変わり目をチェックします。そして、各場面における登場人物の心情変化を読み取ります。

気持ちをあらわす言葉のチェックは必須ですが、背景描写や登場人物の言動のような心情理解に役立つ描写をチェックします。はじめのうちは教師と一緒に心情をチェックしながら読めば確実でしょう。

設問文や論説文では、わからない言葉を都度辞書で調べましょう。そして、筆者の主張を読み取ります。

筆者の主張は表現を変えて何度も出ることが多いため、言い換え言葉をチェックします。また、筆者と他者の意見を比べながら論じられることも多いため、対比を表す言葉もチェックです。筆者は自分の意見を読者に受け入れてもらいやすいように理由を添えながら主張を述べるため、因果関係を示す言葉も確認します。

慣れないうちは教師と一緒に言い換え、対比、因果関係を確認しながら読み進めましょう。

トップダウン・モデルの強化

トップダウン・モデルはボトムアップ・モデルで読み取った情報をもとに文書の展開や登場人物の心情を予想する読み方です。

物語文や小説文では、登場人物の心情を予想しながら読み進めましょう。小学校高学年以降に読む文章では登場人物の心情がはっきり書かれていないことが多くなります。

場面ごとに、「今この登場人物はどんな気持ち?」「なせこの登場人物は〇〇したと思う?」と教師が生徒に問いかけ、まとめるとよいでしょう。

比喩表現を発見したときも「この文ではどういう意味で使われているの?」と問いかけてみましょう。トップダウン・モデルで読み取った本文の内容に即して比喩表現が理解できているか教師がチェックすれば確実です。

設問文や論説文では、意味段落ごとに要旨をメモしましょう。次の意味段落の展開を予想できそうなら併せてメモしましょう。言葉だけでなく図示でも構いません。

「ここは予想通りの展開だ。」「予想が外れた。筆者の意見は〇〇だったね。」と確認しながら読めば、お子さんが筆者の主張を正確に読み取れているかチェックできます。

読解力は一朝一夕に身に着くものではありません。初めは平易な文章やお子さんが興味関心をもてる本で構いません。ボトムアップで1~2か月、トップダウンで2~4か月というように長いスパンでお子さんの読解力を育てるのがよいでしょう。

まとめ

読解力を育てるにはボトムアップ・モデル、トップダウン・モデルの両方を相互に使いながら読むことが大切です。

私たちは言葉を無意識に使えてしまうがゆえに、お子さんが読解の何につまずいているのか把握が難しいのです。国語を教えることは難しいと感じて当然なのです。

読み書きは普通にできているけれどなぜか国語の点が取れないというお子さんには、ボトムアップ・モデルとトップダウン・モデルの読み方指導ができる先生に教われば安心ですよね。

家庭教師和顔はお子さんの課題を見極めて指導します。国語の成績アップをお望みの方はお気軽にご相談をお寄せください。

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